文献詳細
特集 消化管の出血性疾患2005
止血術
1.純エタノール局注法
著者: 山本栄篤1 長浜隆司1 中島寛隆1 吉田論史1 馬場保昌1 丸山雅一1 幸田隆彦2 松川正明2
所属機関: 1早期胃癌検診協会中央診療所 2昭和大学医学部附属豊洲病院消化器科
ページ範囲:P.683 - P.685
文献概要
消化管出血の内視鏡止血処置のうち純エタノール局注法は浅木ら1)により考案された手法で,穿刺針以外の内視鏡処置具が不要な,安価で施設と場所を選ばない非常に確実性の高い治療法である.エタノールの強力な組織脱水・固定の作用で単回の内視鏡での永久止血が可能であり,動脈性出血を来す消化性潰瘍の急性期において劇的な治療効果を発揮する.しかし,その強力な作用機序から続発する潰瘍の拡大や穿孔などの偶発症を引き起こすこともあるため,適切な方法での施行が必須である.本稿ではエタノール局注法での止血術に関して概説する.
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