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文献詳細

雑誌文献

胃と腸40巻4号

2005年04月発行

特集 消化管の出血性疾患2005

止血術

1.純エタノール局注法

著者: 山本栄篤1 長浜隆司1 中島寛隆1 吉田論史1 馬場保昌1 丸山雅一1 幸田隆彦2 松川正明2

所属機関: 1早期胃癌検診協会中央診療所 2昭和大学医学部附属豊洲病院消化器科

ページ範囲:P.683 - P.685

文献概要

はじめに

 消化管出血の内視鏡止血処置のうち純エタノール局注法は浅木ら1)により考案された手法で,穿刺針以外の内視鏡処置具が不要な,安価で施設と場所を選ばない非常に確実性の高い治療法である.エタノールの強力な組織脱水・固定の作用で単回の内視鏡での永久止血が可能であり,動脈性出血を来す消化性潰瘍の急性期において劇的な治療効果を発揮する.しかし,その強力な作用機序から続発する潰瘍の拡大や穿孔などの偶発症を引き起こすこともあるため,適切な方法での施行が必須である.本稿ではエタノール局注法での止血術に関して概説する.

参考文献

1)浅木茂,西村敏明,岩井修一,他.消化管出血に対する組織固定法―99.5%エタノール局注法の試み.Gastroenterol Endosc 23 : 792-799, 1981
2)浅木茂.純エタノール局注法.丹羽寛文(編).消化器内視鏡治療の実際,改定第2版.日本メディカルセンター,pp 151-159, 1997
3)浅木茂.噴出性出血に対する純エタノール局注法の効果.消化器内視鏡 13 : 1775-1781, 2001
4)浅木茂. 消化管出血に対する施設規模に応じたDecision-Making.消化器内視鏡 15 : 170-177, 2003
5)斎藤道也,斎藤行世,菊池徹,他.消化性潰瘍を中心とした上部消化管出血に対する緊急内視鏡.消化器内視鏡 11 : 803-808, 1999
6)浅木茂.内視鏡止血における偶発症.消化器内視鏡 15 : 1391-1393, 2003
7)竹下公矢,谷雅夫.上部消化管出血の病態と内視鏡止血法の進歩.消化器内視鏡 13 : 1709-1717, 2001
8)浅木茂.純エタノール局注法―これをやってはいけない.消化器内視鏡 13 : 602-603, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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