文献詳細
特集 消化管の出血性疾患2005
ノート
文献概要
はじめに
消化管出血の診断,治療において内視鏡検査の重要性は高い.上部消化管や大腸では静脈瘤硬化療法,EVL(endoscopic variceal ligation),クリップ,エタノールやHSE(hypertonic saline epinephrine)の局注,アルゴンプラズマ凝固(argon plasma coagulation ; APC)など有効な内視鏡的止血術が確立されている.しかし小腸においては内視鏡の到達が困難であったことから,内視鏡診断や内視鏡止血が力を発揮することができないでいた.われわれの開発したダブルバルーン内視鏡は経口的,経肛門的の両ルートで深部小腸への内視鏡到達を可能とし,小腸全域における内視鏡診断,治療を実現した1)~3).ダブルバルーン内視鏡は深部小腸においても優れた操作性を発揮するため,出血点を的確に狙った有効な内視鏡止血が可能となった.本稿ではダブルバルーン内視鏡を用いた小腸出血の内視鏡的治療を中心に解説する.
消化管出血の診断,治療において内視鏡検査の重要性は高い.上部消化管や大腸では静脈瘤硬化療法,EVL(endoscopic variceal ligation),クリップ,エタノールやHSE(hypertonic saline epinephrine)の局注,アルゴンプラズマ凝固(argon plasma coagulation ; APC)など有効な内視鏡的止血術が確立されている.しかし小腸においては内視鏡の到達が困難であったことから,内視鏡診断や内視鏡止血が力を発揮することができないでいた.われわれの開発したダブルバルーン内視鏡は経口的,経肛門的の両ルートで深部小腸への内視鏡到達を可能とし,小腸全域における内視鏡診断,治療を実現した1)~3).ダブルバルーン内視鏡は深部小腸においても優れた操作性を発揮するため,出血点を的確に狙った有効な内視鏡止血が可能となった.本稿ではダブルバルーン内視鏡を用いた小腸出血の内視鏡的治療を中心に解説する.
参考文献
1)Yamamoto H, Yano T, Kita H, et al. New system of double-balloon enteroscopy for diagnosis and treatment of small intestinal disorders. Gastroenterology 125 : 1556-1556, 2003
2)山本博徳,喜多宏人,砂田圭二郎,他.小腸内視鏡検査.日内会誌 93 : 1189-1199, 2004
3)山本博徳,喜多宏人,砂田圭二郎,他.ダブルバルーン内視鏡を用いた小腸内視鏡検査の有用性.日消誌 101 : 976-982, 2004
4)Yamamoto H, Kita H, Sunada K, et al. Clinical outcomes of double-balloon endoscopy for the diagnosis and treatment of small intestinal diseases. Clin Gastroenterol Hepatol 2: 1010-1016, 2004
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