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文献詳細

雑誌文献

胃と腸40巻5号

2005年04月発行

今月の主題 切開・剥離法(ESD)時代の胃癌術前診断

主題

切開・剥離法(ESD)に必要な胃癌術前診断―新しい診断法:赤外線内視鏡

著者: 石原立1 上堂文也1 飯石浩康1 荻山秀治1 山田拓哉1 杉本直俊1 今中和穗1 東野晃治1 楢原啓之1 竜田正晴1 石黒信吾2 井関和成3

所属機関: 1大阪府立成人病センター消化器内科 2大阪府立成人病センター病理検査科 3井関クリニック

ページ範囲:P.817 - P.822

文献概要

要旨 今回われわれは早期癌病型の陥凹型胃癌25例を対象に,2波長赤外線電子内視鏡システムの有用性を検討した.2波長赤外線内視鏡観察下にて癌部に一致して“不染所見”,“淡染所見”が得られた17例全例がmもしくは1,000μmより浅いsm癌で,“pooling所見”,“濃染所見”が得られた8例中6例がsm1,000μmより深い癌であり,その正診率は92%であった.特に通常内視鏡検査やEUSでの診断が困難とされているUl(+)の病巣でも94%(15/16例)の病巣で深達度を正診できた.生体組織の深部透過性に優れた赤外線を用いた電子内視鏡検査は,存在部位やUlの有無にかかわらず,通常内視鏡では困難な早期胃癌の深達度診断に有用であった.

参考文献

1)田辺聡,大井田正人,三富弘之,他.早期胃癌の術前診断(EMR適応病変を中心に)―内視鏡の立場から.胃と腸 36 : 1615-1624, 2001
癌との鑑別―X線・内視鏡診断の現状.胃と腸 32 : 1675-1688, 1997
3)長南明道,三島利之,安藤正夫,他.胃癌の深達度診断―超音波内視鏡からみた深達度診断.胃と腸 36 : 341-350, 2001
4)Iseki K, Tatsuta M, Iishi H, et al. Effectiveness of the near-infrared electronic endoscope for diagnosis of the depth of involvement of gastric cancers. Gastrointest Endosc 52 : 755-762, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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