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文献詳細

雑誌文献

胃と腸40巻6号

2005年05月発行

文献概要

今月の主題 Crohn病の初期病変―診断と長期経過 主題

アフタ様病変のみから成るCrohn病の長期経過

著者: 平井郁仁1 矢野豊1 大原次郎1 和田陽子1 蒲池紫乃1 永江隆1 八尾建史1 松井敏幸1 八尾恒良1 岩下明徳2

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科 2福岡大学筑紫病院病理部

ページ範囲:P.895 - P.910

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要旨 アフタ様病変のみから成るCrohn病(以下,A型CD)の長期経過を知る目的で,典型的Crohn病(以下,T型CD)に進展する頻度,進展例の臨床的特徴,X線所見,累積手術率などについて検討した.当院で診断,治療した22例(男性13例,女性9例,経過観察期間:102.1±61.3か月)を対象とした.〔結果〕T型CDへ進展したのは22例中13例(59.1%)であった.典型病変出現までの期間は44.0±37.8か月であり,13例中12例(92.3%)は60か月以内に進展した.進展例13例の最終病型は小腸型8例,大腸型2例,小腸大腸型3例であった.進展例と非進展例の比較では,初診時の炎症所見や活動指数には差を認めなかったが,診断時に上部消化管病変を合併した頻度が,進展例で非進展例より高かった.初回治療の内容や有効性には両者間に明らかな差を認めなかった.X線検査による進展例の特徴は,小腸病変では大型のアフタ様病変,高密度分布,また浮腫の存在,大腸病変では浮腫の存在であった.22例中4例(18.2%)が経過中に手術を受けていたが,累積手術率は小腸型CD,小腸大腸型CDと比べても,統計学的に明らかな差を認めなかった.〔結論〕A型CDのT型CDへの進展様式はある程度判明した.T型CDに進展した後には,特異的な臨床像や経過はなかった.進展を阻止するための治療法は見い出せず,今後,さらに検討が必要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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