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文献詳細

雑誌文献

胃と腸40巻6号

2005年05月発行

今月の主題 Crohn病の初期病変―診断と長期経過

主題

アフタのみから成るCrohn病の長期経過

著者: 高木承1 木内喜孝1 樋渡信夫2 高橋秀一郎1 横山大1 高橋成一1 下瀬川徹1

所属機関: 1東北大学大学院消化器病態学分野 2いわき市立総合磐城共立病院

ページ範囲:P.912 - P.917

文献概要

要旨 アフタのみから成るCrohn病の長期経過例を検討し,以下の成績を得た.①3年以上経過を追えたアフタのみから成るCrohn病16例中9例(56%)が進展し典型例となり,7例(44%)が不変もしくは改善した.②初診時CRP値は,進展群で高い傾向があったが有意差はなかった.③初発症状として,進展群では腹痛の頻度が低い傾向にあった.④肛門病変は進展群全例に認め,不変・改善群より有意に多かった.⑤進展例での診断時から典型病変出現までの期間は平均29.7か月であった.また進展病変は回腸もしくは盲腸・結腸にのみ認め,縦走潰瘍を形成することが多かった.⑥進展群9例中5例(56%)に腸管手術が施行された.

参考文献

1)Simpkins KC. Aphthoid ulcers in Crohn's colitis. Clin Radiol 28 : 601- 608, 1977
2)Laufer I, Costopoulos L. Early lesions of Crohn's disease. Am J Roentgenol 130 : 307-311, 1978
3)Ni XY, Goldberg HI. Aphthoid ulcers in Crohn's disease : radiographic course and relationship to bowel appearance. Radiology 158 : 589-596, 1986
4)Sankey EA, Dhillon AP, Anthony A, et al. Early mucosal changes in Crohn's disease. Gut 34 : 375-381, 1993
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6)樋渡信夫.アフタ様病変のみから成るCrohn病: アンケート報告―進展例と不変・改善例の比較を中心に.胃と腸 29 : 589-592, 1994
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8)樋渡信夫,棟方昭博,田中昌宏,他.Crohn病診断のきっかけとなる症状・所見.胃と腸 18 : 1260-1277, 1983

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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