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文献詳細

雑誌文献

胃と腸40巻6号

2005年05月発行

文献概要

今月の主題 Crohn病の初期病変―診断と長期経過 主題症例

大腸にアフタ様病変の出現消退を繰り返し,8年後終末回腸に縦走潰瘍が出現した肛門周囲膿瘍を伴うCrohn病の1例

著者: 横山純二1 本間照1 味岡洋一2 津端俊介1 杉村一仁1 東谷正来1 竹内学1 石本結子1 小林正明1 青柳豊1

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野 2新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・病態病理学分野

ページ範囲:P.937 - P.943

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要旨 患者は17歳,男性.肛門周囲膿瘍と体重減少を主訴に来院.下部消化管内視鏡検査で,終末回腸と全大腸に多発,密集するアフタ様病変を認めた.生検にて非乾酪性肉芽腫が証明され,Crohn病と診断した.salazosulfapyridine(SASP)と経腸栄養法にて,内視鏡上アフタ様病変のみとして経過したが,8年後,終末回腸に縦走潰瘍が出現.その後,肛門周囲膿瘍,痔瘻の増悪がみられ,人工肛門を造設した.大腸はアフタ様病変のまま13年間経過観察中である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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