icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸40巻6号

2005年05月発行

文献概要

今月の主題 Crohn病の初期病変―診断と長期経過 主題症例

15年間アフタ様病変を呈し,突如食道・胃病変を発症し,大腸に縦走潰瘍を生じたCrohn病の1例

著者: 本間照1 上村顕也1 味岡洋一2 横山純二1 成澤林太郎1 杉村一仁1 小林正明1 佐藤祐一1 塩路和彦1 河内裕介1 青柳豊1

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野 2新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・病態病理学分野

ページ範囲:P.945 - P.952

文献購入ページに移動
要旨 患者は初診時26歳,女性.右側結腸粘膜に発赤,浮腫,アフタ様病変を認め,初診から3年間無治療,その後salazosulfapyridine(SASP)で加療され12年間腸管病変はアフタ様病変を認めるのみであった.しかしその後ストレスを契機に突然口腔,食道に多発性難治性アフタが出現し,同時に右側結腸に縦走潰瘍が認められた.絶食,中心静脈栄養管理でほぼ2週間で炎症反応は陰性化,症状も消退し,成分栄養療法を併用して外来管理となり,現在も経過観察中である.

参考文献

1)前川浩樹,樋渡信夫,織内竜生,他.Crohn病の長期経過―X線所見からみた予後予測.胃と腸 34 : 1211-1226, 1999
2)Matsumoto T, Iida M, Nakamura S, et al. Crohn's disease of aphthous type : serial changes in intestinal lesions. Br J Radiol 73 : 1046-1051, 2000
3)中野浩,長坂光夫,松浦良徳,他.アフタ様潰瘍から10年以上経過観察したCrohn病の3例.胃と腸 34 : 1277-1286, 1999
4)長沼誠,日比紀文,緒方晴彦,他.Crohn病診断基準の問題点―臨床の立場から.胃と腸 36 : 149-158, 2001
5)飯田三雄,檜沢一興,青柳邦彦,他.大腸アフタ様病変のX線学的鑑別診断―アフタ様病変のみから成るCrohn病と他疾患との鑑別を中心に. 胃と腸 28 : 397-410, 1993
6)多田正大,藤田欣也,伊藤義幸,他.腸管アフタ様病変の鑑別―内視鏡を中心に.胃と腸 28 : 411-418, 1993
7)本間照,渡辺英伸,成澤林太郎,他.アフタ様病変の状態で8年間経過観察中のCrohn病の1例.胃と腸 29 : 561-566, 1994
8)Kinjo F, Tomiyama R, Hokama A, et al. Aphthous lesions to overt Crohn's disease. J Gastroenterol Hepatol 19 : 707, 2004
9)Hokama A, Kinjo F, Matayoshi R, et al. Crohn's disease : Aphthoid to longitudinal ulcers. Gastrointest Endosc 57 : 388-389, 2003
10)林繁和.腸管アフタ様病変の鑑別―大腸の急性炎症を中心に.胃と腸 28 : 419-428, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?