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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻1号

2006年01月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌に対するESDの適応の現状と今後の展望 主題

胃癌治療ガイドラインの適応外病変となる早期胃癌の診断―内視鏡診断(超音波内視鏡を含む)

著者: 芳野純治1 乾和郎1 若林貴夫1 奥嶋一武1 小林隆1 三好広尚1 神谷直樹1 加藤芳理1 磯部祥1

所属機関: 1藤田保健衛生大学第2病院内科

ページ範囲:P.31 - P.36

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要旨 分化型早期胃癌379例(M癌283例,SM癌96例)のうち,長径2cmを超え,UL(-)のM癌38例とSM癌33例の内視鏡検査(超音波内視鏡検査)に対する深達度および浸潤度診断を行った.内視鏡診断によるM癌の診断能は感度86.5%,特異度85.2%,正診率77.5%であった.M癌をM癌と正診できなかった4例のうち3例は病変の丈の高い例であった.一方,SM癌をM癌とした5例は粘膜下層内への粘膜筋板からの浸潤距離が浅く,浸潤範囲も狭い例であった.粘膜下層内への浸潤範囲が狭いと,病変の大きさが広くなるに従い,相対的に粘膜下層内での癌の割合が小さくなるため診断は不良になると考えられた.

参考文献

1) 日本胃癌学会(編).胃癌治療ガイドライン,2版.p6,金原出版,2004
2) 林田健男,城所仂.早期胃癌遠隔成績―全国集計.胃と腸 4 : 1077-1085, 1969
3) 佐野量造,下田忠和.病理からみた胃癌の深達度診断.胃と腸 7 : 753-761, 1972
4) 中澤三郎,川口新平,芳野純治,他.典型像を呈したIIa型sm癌の特徴と深達度診断についての検討.胃と腸 17 : 47-52, 1982
5) 八尾恒良,大串秀明.病理組織構築よりみた深達度診断の問題点.胃と腸 12 : 1157-1172, 1977
6) 松田彰郎,西俣嘉人,大井秀久,他.胃型分化型早期胃癌の画像診断.胃と腸 38 : 673-683, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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