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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻1号

2006年01月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌に対するESDの適応の現状と今後の展望 主題

早期胃癌に対するESD切除成績と切除困難例の特徴

著者: 小野裕之1 乾哲也1 蓮池典明1 山口裕一郎1 松林宏行1 大竹陽介1

所属機関: 1静岡県立静岡がんセンター内視鏡科

ページ範囲:P.37 - P.44

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要旨 当院開院以来の3年間にESDが施行された早期胃癌513例557病変のうち,多発胃癌および再発胃癌を除いた,単発早期胃癌353例を対象とし,術前適応別治療成績と切除困難例の特徴を検討した.適応病変,適応拡大病変,適応外病変における一括断端陰性切除率は,それぞれ,98%,94%,76%,治癒切除率は87%,68%,12%であり,適応および適応拡大病変に対するESDの成績は選択可能な治療の1つと考えられた.切除困難例を施行時間が120分を超える病変と120分以内の病変に分けて検討した結果,切除片が大きい,ULがある,部位がU+M領域にある,ことが切除困難予測因子となりうると思われた.またデバイス,治療用スコープ,高周波装置の開発により,明らかに手技が改善されており,種々の機器開発がESDをより簡便化・普遍化させてゆくと思われた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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