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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻1号

2006年01月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌に対するESDの適応の現状と今後の展望 主題

早期胃癌に対するESD治療の予後―術後3年以上の成績

著者: 小山恒男1 田中雅樹1 友利彰寿1 堀田欣一1 森田周子1 古立真一1 高橋亜紀子1 宮田佳典1

所属機関: 1佐久総合病院胃腸科

ページ範囲:P.87 - P.90

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要旨 2000年1月から2002年10月までにESDを施行した胃癌のうち,ガイドライン適応胃癌群(以下適応群),適応拡大群を対象とした.適応群は68例であり,男性56例,女性12例.年齢中央値:69歳.平均観察期間:3.6年であった.適応拡大群は43例であり,男性30例,女性13例,年齢中央値:72歳,平均観察期間:3.8年と患者背景に差はなかった.ESDに伴う主な偶発症は出血と穿孔だが,輸血を要した大量出血は両群ともになく,適応群に1例の穿孔を認めたが両群間の偶発症発症率に有意差を認めなかった.適応群の一括完全切除率は95.6%(65/68),適応拡大群では90.7%(39/43)であり,両群間に有意差を認めなかった.適応群,適応拡大群ともに原病死はなく,両群ともに他病死を5例認めた.他病死を含む3年生存率は適応群で95.2%(平均観察期間3.63年),適応拡大群で89.8%(平均観察期間3.67年)であった.両者間には有意差を認めず,他病死を除く3年生存率はともに100%であった.

参考文献

1) 日本胃癌学会(編).胃癌治療ガイドライン(医師用),2版.金原出版,2004
2) Gotoda T, Yanagisawa A, Sasako M, et al. Incidence of lymph node metastasis from early gastric cancer. The estimation with a large number of cases at two large centers. Gastric Cancer 3 : 219-225, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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