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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻1号

2006年01月発行

今月の主題 早期胃癌に対するESDの適応の現状と今後の展望

主題

早期胃癌に対するESDの評価―私はこう考える

著者: 川口実1

所属機関: 1国際医療福祉大学附属熱海病院内科

ページ範囲:P.108 - P.109

文献概要

 内視鏡的粘膜下層剝離術(endoscopic submucosal dissection ; ESD)が急速にひろまりつつある.早期胃癌に対する内視鏡的治療の歴史をみると当初は有茎性の早期癌に対しポリペクトミーを行った.しかし,この方法の適応は極めて狭かった.次いでNd-YAGレーザーが日本に導入されレーザー治療が盛んに行われた.レーザー治療の最大の問題は組織を回収して確認することができず経過観察でしか評価できない点であった.しかし照射法,出力を工夫することで手技は容易で,偶発症の可能性も極めて低い1).その欠点を克服し現在の内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection ; EMR)のもととなったのがstrip biopsyの開発である2)

参考文献

1) 藤江篤,吉村克納,川口実,他.早期胃癌に対する内視鏡的Nd-YAGレーザー治療の問題点―適応及び照射法について.日本レーザー医学会誌 8(4) : 39-40, 1988
2) 多田正弘,村田誠,村上不二夫,他.Strip-off biopsyの開発.Gastroenterol Endosc 26 : 833-839, 1984
3) 日本胃癌学会(編).胃癌治療ガイドライン(医師用),2版.金原出版,p8, 2004
4) 細川浩一,吉田茂昭.早期胃癌の内視鏡的粘膜切除術.癌と化学療法 25 : 476-483, 1998
5) Oda I, Gotoda T, Hamanaka H, et al. Endoscopic submucosal dissection for early gastric cancers : Technical feasibility, operation time and complications from a large consecutive series. Digestive Endoscopy 17 : 54-58, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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