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今月の主題 早期胃癌に対するESDの適応の現状と今後の展望 主題
早期胃癌に対するESDの評価―私はこう考える
著者: 井上晴洋1 佐藤嘉高1 菅谷聡1 加賀まこと1 小鷹紀子1 里館均1 工藤進英1
所属機関: 1昭和大学横浜市北部病院消化器センター
ページ範囲:P.114 - P.116
文献購入ページに移動消化器内視鏡医にとって,ESD(endoscopic submucosal dissection)の登場は,従来のスネアを用いたEMR(endoscopic mucosal resection)と較べた場合に大きな一括標本が得られる点で画期的な出来事であった.すなわち一括切除によって,病変の全割が可能となり,マッピングにより正確な深達度診断,詳細な病理組織診断も可能となった.そもそもESDは,細川・小野ら1)によって新しく開発されたITナイフを,広範囲の粘膜の一括切除に応用したものである.ESD実施にあたっての種々の技術的問題を克服したこと,そしてGotodaら2)が,適応拡大が可能なことを臨床病理学的に報告したことに始まり小山3),矢作4),山本5)らの大きな業績と考えられる.その一方で技術的ハードルが決して低くないことから,現在,施設間格差などが発生しており,術者の技量が結果を大きく左右していることも事実である.トレーニングシステムや技術認定などの整備が望まれる.
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