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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻10号

2006年09月発行

文献概要

今月の主題 ・sm癌の最新の診断と治療戦略 主題

治療成績からみた食道m3・sm癌の治療方針―外科手術例におけるリンパ節転移:病理の立場から

著者: 根本哲生1 伊東干城1 堀口慎一郎1 比島恒和1 船田信顕1 出江洋介2 門馬久美子3 吉田操4

所属機関: 1東京都立駒込病院病理科 2東京都立駒込病院外科 3東京都立駒込病院内視鏡科 4東京都保健医療公社荏原病院

ページ範囲:P.1416 - P.1427

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要旨 深達度ごとのリンパ節転移の頻度およびリンパ節転移に関連する原発巣での病理組織像の特徴を明らかにする目的で,当院におけるm3・sm癌手術例95例を病理学的に検討した.リンパ節転移は,m3症例16例中1例(6.3%),sm1症例10例中2例(20.0%),sm2症例34例中12例(35.3%),sm3症例35例中23例(65.7%)にみられ,脈管侵襲率はそれぞれ43.8%,70.0%,91.2%,94.3%であった.原発巣においてリンパ節転移を示唆する所見は脈管(リンパ管・静脈)侵襲像と小型胞巣の浸潤性増殖像と考えられた.EMRによる治療の際には,EMR検体の深達度と脈管侵襲の病理学的評価が重要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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