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今月の主題 早期胃癌に対するESDと腹腔鏡下手術の接点 主題
早期胃癌に対するESDと腹腔鏡下手術の接点―私はこう考える:内科の立場から
著者: 多田正弘1 石窪力1 藤野喜理子1 島村智崇1 山口研成1 有馬美和子1 腰塚慎二2
所属機関: 1埼玉県立がんセンター消化器内科 2埼玉県立がんセンター放射線診断部
ページ範囲:P.1539 - P.1542
文献購入ページに移動早期胃癌病変の多くは,リンパ節などの転移を伴わない病変であることが明らかになった.そのため,すべての早期胃癌に一定のリンパ節郭清を伴う胃切除を行う必要はなくなり,原発病変の局所病変のみで根治する可能性が指摘され,早期胃癌に対する内視鏡治療が始まった.
また,それに対して,病変を一括で切除するために腹腔鏡下手術が始まる.そののち,一部のリンパ節郭清を伴った腹腔鏡下手術が行われるようになってきた.このように,早期胃癌の内視鏡治療(endoscopic mucosal resection ; EMR,endoscopic submucosal dissection ; ESD)は,胃粘膜の局所治療であり,リンパ節などの転移病変に対しては全く無力な治療法であることが,腹腔鏡下手術と本質的に異なる.
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