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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻11号

2006年10月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌に対するESDと腹腔鏡下手術の接点 主題

早期胃癌に対するESDと腹腔鏡下手術の接点―私はこう考える:内科の立場から

著者: 多田正弘1 石窪力1 藤野喜理子1 島村智崇1 山口研成1 有馬美和子1 腰塚慎二2

所属機関: 1埼玉県立がんセンター消化器内科 2埼玉県立がんセンター放射線診断部

ページ範囲:P.1539 - P.1542

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はじめに

 早期胃癌病変の多くは,リンパ節などの転移を伴わない病変であることが明らかになった.そのため,すべての早期胃癌に一定のリンパ節郭清を伴う胃切除を行う必要はなくなり,原発病変の局所病変のみで根治する可能性が指摘され,早期胃癌に対する内視鏡治療が始まった.

 また,それに対して,病変を一括で切除するために腹腔鏡下手術が始まる.そののち,一部のリンパ節郭清を伴った腹腔鏡下手術が行われるようになってきた.このように,早期胃癌の内視鏡治療(endoscopic mucosal resection ; EMR,endoscopic submucosal dissection ; ESD)は,胃粘膜の局所治療であり,リンパ節などの転移病変に対しては全く無力な治療法であることが,腹腔鏡下手術と本質的に異なる.

参考文献

1) 多田正弘.胃内視鏡治療 Strip biopsy の実際.医学書院,1998
2) 多田正弘,竹腰隆男,蘆田潔.早期胃癌内視鏡的粘膜切除術ガイドライン.日本消化器内視鏡学会卒後教育委員会(編).消化器内視鏡ガイドライン.医学書院,pp 230-239, 1999
3) 田尻久雄,長南明道,竹下公矢.早期胃癌内視鏡治療ガイドライン.日本消化器内視鏡学会卒後委員会(編).消化器内視鏡ガイドライン,2 版.医学書院,pp 255-269, 2002
4) 胃癌治療ガイドライン検討委員会.胃癌の治療法の種類とその適応,内視鏡的粘膜切除法(endoscopic mucosal resection : EMR).日本胃癌学会(編).胃癌治療ガイドライン,2 版.金原出版,pp 8-9, 2004
5) 岩渕三哉.胃潰瘍の肉眼所見と組織所見の対比.KARKINOS 2 : 585-591, 1989
6) Ida K, Nakazawa S, Yoshino J, et al. Multicentre collaborative prospective study of endoscopic treatment of early gastric cancer. Dig Endosc 16 : 295-302, 2004
7) Tada M, Tanaka Y, Matsuo N, et. al. Mucosectomy for gastric cancer : Current status in Japan. J Gastroenterol Hepatol 15 : 98-102, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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