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今月の主題 早期胃癌に対するESDと腹腔鏡下手術の接点 主題
早期胃癌に対するESDと腹腔鏡下手術の接点―私はこう考える:病理の立場から
著者: 向井万起男1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部病理診断部
ページ範囲:P.1547 - P.1549
文献購入ページに移動 今は,癌の治療を可能な限り低侵襲な方法で行おうという時代である.早期胃癌の治療も然り.こうしたスタンスの普及を目の前にすると感無量となる.私が病理医として働き始めたころは,1cm,IIa,tub1,mの胃癌でも胃亜全摘・リンパ節郭清を行っていたのであるから.こうした極端な事例を思い出すと,低侵襲な治療法の普及は素晴らしいと思わざるを得ない.しかし,だからといって,いつの時代にも低侵襲な治療法が常に正しいとは限らない.
早期胃癌に対して現在盛んに行われるようになっているESD(endoscopic submucosal dissection)は素晴らしい治療法だとは思う.しかし,ESDが何の問題も抱えていないというわけではない.ESDは常にある種の問題・危険を抱えた治療法であるということは誰もが知っているはずである.
ここで,その,誰もが知っているESDの問題・危険の中から,病理医として強く実感していることを整理しておきたい.ESDでとられた検体を実際に鏡検して診断する立場の病理医として常日ごろ肌で感じていることである.
早期胃癌に対して現在盛んに行われるようになっているESD(endoscopic submucosal dissection)は素晴らしい治療法だとは思う.しかし,ESDが何の問題も抱えていないというわけではない.ESDは常にある種の問題・危険を抱えた治療法であるということは誰もが知っているはずである.
ここで,その,誰もが知っているESDの問題・危険の中から,病理医として強く実感していることを整理しておきたい.ESDでとられた検体を実際に鏡検して診断する立場の病理医として常日ごろ肌で感じていることである.
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