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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻11号

2006年10月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌に対するESDと腹腔鏡下手術の接点 座談会

早期胃癌に対するESDと腹腔鏡下手術の接点

著者: 長南明道1 後藤田卓志2 山口俊晴39 佐野武4 矢作直久5 井上晴洋6 大谷吉秀7 小山恒男8

所属機関: 1仙台厚生病院消化器内視鏡センター 2国立がんセンター中央病院消化器内視鏡部 3癌研有明病院消化器センター 4国立がんセンター中央病院外科 5虎の門病院消化器科 6昭和大学横浜市北部病院消化器センター 7埼玉医科大学消化器・一般外科 8佐久総合病院胃腸科 9癌研有明病院消化器外科

ページ範囲:P.1553 - P.1570

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 大谷(司会) 今日はご出席ありがとうございます.胃癌の治療といいますと,1881年にTheodor Billrothが初めてBillroth I法の手術に成功してから,既に125年が経過しているわけですが,今でも胃の手術では,相変わらずBillroth I法が行われたり,あるいはRoux-en-Y法など様々な再建術式の工夫がされたりしているわけです.わが国では1960年代から胃癌の手術が普及し,1980年代には早期胃癌が少しずつ増えてきたこともあり,外科的縮小手術あるいは内視鏡治療が始まりました.内視鏡を用いたstrip biopsyや,EMR(endoscopic mucosal resection)も登場しました.1990年代に入ると今度は腹腔鏡下手術が導入され,腹腔鏡を用いた局所切除,それから幽門側切除が徐々に行われるようになってきました.そして,1990年代後半からはESD(endoscopic submucosal dissection)が,いよいよいくつかの施設で積極的に行われるようになりました.われわれ外科の立場から見ると,早期胃癌に外科的治療が行われるケースが,ここ1,2年やや減少している印象があります.つまり,手術に回らずに,内科の先生がESDなどで治療しているケースが増えていることがその背景にあると思います.最近の集計では,大体年間2万~3万件の内視鏡治療が行われ,そのうち6,000~7,000件がESDということですので相当治療体系が変わってきた感じがします.今日はそのあたりについて,エキスパートの先生方に議論いただき,現状や今後の展望を語っていただきたいと思います.

早期胃癌に対するEMR・ESDの歴史

 小山(司会) まず,内視鏡治療から話を始めたいと思います.今,お話がありましたようにEMRは1980年代に開発され,最初はERHSE(endoscopic resection with local injection of hypertonic saline-epinephrine solution)法,strip biopsy法の2つでしたが,その後1990年代に吸引法が登場し,1990年代後半からESDが開発されました.このあたりの歴史について,長南先生お願いします.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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