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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻12号

2006年11月発行

今月の主題 小腸疾患診療の新たな展開

主題症例

腹部超音波検査で発見されダブルバルーン小腸内視鏡で切除しえた小腸過誤腫性ポリープの1例

著者: 村松司1 斉藤裕輔1 垂石正樹1 助川隆士1 小澤賢一郎1 西川智哉1 折居史佳1 藤井常志1 松本昭範1 神田誠2 杉本友照3 下田忠和4

所属機関: 1市立旭川病院消化器病センター 2市立旭川病院病理 3パワーズ内科胃腸科クリニック 4国立がんセンター中央病院臨床検査部

ページ範囲:P.1713 - P.1717

文献概要

要旨 患者は70歳代,女性.検診で施行した腹部超音波検査で小腸内に大きさ20mm大の低エコー腫瘤を指摘され,精査目的にて入院した.小腸X線造影所見でも回腸に単発する約20mm大の有茎性の隆起病変を認め,表面は微細顆粒状を呈していた.ダブルバルーン小腸内視鏡の経肛門的アプローチにて近位側回腸の病変に到達することが可能であった.病変は表面発赤調で細顆粒状を呈する大きさ20mm大の有茎性隆起病変であり,高周波スネアにて切除回収しえた.病理組織学的には過誤腫性ポリープを基盤として,表層部で腺管の過形成を来したポリープと診断された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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