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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻13号

2006年12月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

異時性多発癌として発見された大腸早期印環細胞癌の1例

著者: 長浜孝1 帆足俊男2 間野正衛3 尾石弥生1 池田圭祐4 岩下明徳4 津田純郎1 松井敏幸1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科 2帆足胃腸科・内科医院 3福岡県済生会二日市病院外科 4福岡大学筑紫病院病理部

ページ範囲:P.1843 - P.1851

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要旨 症例は62歳,男性.大腸早期癌(粘膜内癌)の内視鏡的治療6年後に,経過観察目的の大腸内視鏡検査と生検にて上行結腸にIIc+IIa型印環細胞癌を指摘された.上部消化管内視鏡検査,胸・腹部CT検査等の画像診断に異常はなく,上行結腸部分切除術が施行された.病理組織学的には最大径10mm,IIc+IIa型signet-ring cell carcinoma with adenoma,深達度sm3,ly2,v1,Infα,n1と診断された.大腸原発早期印環細胞癌の報告例は少なく,臨床病理組織学特徴を明らかにするためには早期癌症例の集積が必要と考え報告した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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