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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻2号

2006年02月発行

文献概要

今月の主題 食道表在癌の内視鏡診断―最近の進歩 主題

これからの食道早期癌拾い上げ診断―拡大内視鏡の立場から

著者: 小山恒男1 友利彰寿1 堀田欣一1 森田周子1 田中雅樹1 古立真一1 高橋亜紀子1 宮田佳典1

所属機関: 1佐久総合病院胃腸科

ページ範囲:P.145 - P.150

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要旨 近年,内視鏡画像が高画質化し食道の微細な変化を認識しやすくなった.しかし,通常内視鏡だけで食道表在癌を確定診断することは難しく,従来はヨード染色や生検による補助診断が必須であった.ヨード染色は被検者に不快感を強いて,病変にもダメージを与える.生検は病変を分断し,粘膜下層の線維化を来すためESDの妨げになることもある.一方,拡大内視鏡を用いると食道表面の微細な血管模様を観察することができ,その血管パターンから腫瘍・非腫瘍の鑑別が可能である.また,拡大内視鏡は被験者や病変にダメージを与えることがない.本稿では自験例を示し,拡大所見が食道表在癌の拾い上げ診断に有用であることを示した.

参考文献

1) Inoue H, Honda T, Yoshida T, et al. ultra-high magnification endoscopy of the normal esophageal mucosa. Dig Endosc 1 : 134-138, 1996
2) 有馬美和子,有馬秀明,中島志彦,他.内視鏡医に必要な基礎知識・食道―表面構造からみた内視鏡診断と病理組織像との対応.消化器内視鏡 12 : 614-620, 2000
3) 小山恒男,宮田佳典,友利彰寿,他.食道の観察法.消化器内視鏡 16 : 778-783, 2004
4) 小山恒男,宮田佳典,友利彰寿,他.Barrett食道癌の境界を読む―範囲診断を中心に.胃と腸 39 : 1243-1249, 2004
)の1例,胃と腸 30 : 1055-1058, 1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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