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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻2号

2006年02月発行

文献概要

今月の主題 食道表在癌の内視鏡診断―最近の進歩 主題

食道ヨード不染帯の鑑別診断―癌と非癌の鑑別:病理の立場から

著者: 石黒信吾1 石原立2 塚本吉胤1 片岡竜貴1 西澤恭子1 飯石浩康2

所属機関: 1大阪府立成人病センター病理・細胞診断科 2大阪府立成人病センター消化器内科

ページ範囲:P.165 - P.175

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要旨 内視鏡的なヨード不染帯と生検病理所見との関係を検討するために39個の病巣を検討した.ヨード不染とparakeratosis,keratohyalin顆粒およびkoilocytosisとは密接な関係があることを示した.組織学的な(異型)基底細胞増殖巣は,内視鏡的に癌と診断された2/17病巣,癌疑いと診断された1/8病巣,非癌とされた4/14病巣に各々みられた.これらの病巣は,1例を除きkoilocytosisを認めた.典型的な異形成と言える病変はなかったが,癌と炎症を除いた(異型)基底細胞増殖巣が異形成の候補である可能性があり,koilocytosisとの関係が示唆された.

参考文献

1) Pathology and Genetics of Tumor of the Digestive system. WHO classification of tumors. IARC, 2000
2) 日本食道疾患研究会(編).臨床・病理 食道癌取扱い規約,9版.金原出版,1999
3) 石黒信吾,春日井務,星田義彦,他.追跡例からみた食道異形成(dysplasia).胃と腸 31 : 695-704, 1997
4) 渡辺英伸,松田圭二.症例検討 : 食道 dysplasia(異形成)の組織診断.胃と腸 31 : 705-761, 1997
5) 石黒信吾,真能正幸,春日井務.Dysplasia(異形成)と食道扁平上皮癌の病理.外科 63 : 385-388, 2001
6) Farhadi M, Tahmasebi Z, Merat S, et al. Human papillomavirus in squamous cell carcinoma of esophagus in a high-risk population. World J Gastroenterol 11 : 1200-1203, 2005
7) Hasegawa M, Ohoka I, Yamazaki K, et al. Expression of p21/WAF-1, status of apoptosis and p53 mutation in esophageal squamous cell carcinoma with HPV infection. Pathol Int 52 : 442-450, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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