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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻2号

2006年02月発行

文献概要

今月の主題 食道表在癌の内視鏡診断―最近の進歩 主題

食道表在癌リンパ節転移診断―EUSの立場から

著者: 青木泰斗1 神津照雄2 宮崎信一1 首藤潔彦1 岡崎靖史1 本島柳司1 鍋谷圭宏1 島田英昭1 松原久裕1 岡住慎一1 落合武徳1

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院先端応用外科 2千葉大学医学部附属病院光学医療診療部

ページ範囲:P.207 - P.214

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要旨 食道表在癌の縮小治療を考えるとき,正確なリンパ節転移診断は必要不可欠である.EUSは精度の高い検査法として認知されている.その有効性は,リンパ節の描出能の高さでも証明できる.術前診断転移リンパ節個数と郭清転移リンパ節個数の比を,予測係数として信頼度を検討すると,EUSは1.003でCTの0.31と比べ良好な描出能を示した.EUSはCTに比べより多くの転移陽性リンパ節を診断でき,それぞれの部位で多く読む傾向にある.偽陰性が少ないことは,食道表在癌の縮小治療に対し有効な検査法であると言えるが,より精度を高めるためには他の画像診断と合わせ総合的に診断することが望ましい.しかし,術前に完全なリンパ節転移診断をすることは不可能であるから,SM癌の縮小治療には慎重にならざるを得ないと思われる.

参考文献

1) 神津照雄,菱川悦男,宮崎信一,食道表在癌の超音波内視鏡診断.外科 63 : 399-402, 2001
2) 有馬美和子,神津照雄,森川丘道,他.食道癌の深達度・リンパ節転移診断.消化器内視鏡 8 : 100-106, 1996
癌に対するEMR後の局所・リンパ節再発の早期診断.消化器内視鏡 15 : 389-396, 2003
4) 有馬美和子,多田正弘,大倉康男.食道癌の病期診断におけるEUSの精度.消化器内視鏡 14 : 573-581, 2002
5) 有馬美和子,小出義雄,岡住慎一,他.胸部食道癌に対する3領域リンパ節郭清の適応とその限界についての検討.日消外会誌 32 : 176-180, 1999
6) 神津照雄,菱川悦男,鈴木康夫,他.EUSガイド下消化管穿刺.臨床外科 55 : 1571-1574, 2000
7) 有馬美和子,田崎健太郎,飛田浩司,他.縦隔腫瘍に対する超音波内視鏡ガイド下穿刺生検法.消化器内視鏡 12 : 313-321, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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