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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻3号

2006年03月発行

文献概要

今月の主題 腸管悪性リンパ腫―最近の知見 主題

大腸悪性リンパ腫の臨床的特徴と画像診断―組織型との対比を含めて

著者: 大橋暁1 丹羽康正1 宮原良二1 松浦哲生1 北畠秀介1 井口洋一1 後藤秀実1

所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科消化器内科学

ページ範囲:P.315 - P.322

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要旨 大腸原発悪性リンパ腫の41症例45病変についてX線・内視鏡所見の特徴と病理組織学的所見との対比について検討した.大腸悪性リンパ腫の肉眼型は隆起型・潰瘍型・びまん型の3つに分類した.肉眼型と深達度の関連では,隆起型より潰瘍型でより深い傾向にあった.病理組織学的にはびまん性大細胞型リンパ腫は潰瘍型が多く深達度が深い傾向にあり,MALTリンパ腫では隆起型が多く深達度も浅いものが多い傾向にあった.悪性リンパ腫の画像診断においては隆起部分の粘膜下腫瘍様の所見を注意深く捉えることが重要であると思われた.また腫瘍の大きさ・管腔の狭窄に比べ通過障害の症状に乏しいことも特徴的であった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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