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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 消化管内視鏡治療2006 総論

2. 内視鏡治療におけるリスクマネージメント

著者: 多田正大1 小越和栄2

所属機関: 1多田消化器クリニック 2県立がんセンター新潟病院

ページ範囲:P.430 - P.435

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要旨 偶発症発生頻度が少なくない消化管内視鏡治療を行う場合には,常にリスクマネージメントのありかたを検討しておかなければならない.インフォームド・コンセントによって,その必要性と生じる危険性を具体的に患者側に説明して理解を得ておくこと,さらに術前に危険因子についての状況を把握し,偶発症対策を講じておくことは内視鏡治療時の常識である.日本消化器内視鏡学会の各種委員会から安全な内視鏡診療を推進するための指針が提唱されている.内視鏡診療のありかたの基本理念を盛り込んだうえで,各病院の事情を考慮した最もふさわしいマニュアルが構築されることが期待される.

参考文献

1) 浅井篤.インフォームド・コンセントと真実告知.福井次矢,浅井篤,大西基喜(編).臨床倫理学入門.医学書院,pp 33-49, 2003
2) 小越和栄,多田正大,熊井浩一郎,他.消化器内視鏡リスクマネージメント.Gastroenterol Endosc 46 : 2600-2609, 2004
3) 小越和栄,金子榮蔵,多田正大,他.治療内視鏡に関するリスクマネージメント.Gastroenterol Endosc 47 : 2681-2690, 2005
4) 金子榮藏,原田英雄,春日井達造,他.消化器内視鏡関連の偶発症に関する第4回全国調査報告(1998年より2002年までの5年間).Gastroenterol Endosc 46 : 54-61, 2004
5) 日本消化器内視鏡学会卒後教育委員会(編).消化器内視鏡ガイドライン,2版.医学書院,2003
6) 日山亨,日山恵美,吉原正治,他.判例に学ぶ消化器医療のリスクマネジメント.日本メディカルセンター,2005
7) 金子榮藏,棟方昭博,岩男泰,他.大腸内視鏡検査の偶発症防止のための指針.Gastroenterol Endosc 45 : 1939-1945, 2003
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9) Spandorfer JM, Lynch S, Weitz HH, et al. Use of enoxaprin for the chronically anticoagulated patient before and after procedures. Am J Cardiol 84 : 478-480, 1999
10) 日本循環器学会.循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン(2002-2003年度合同研究報告).Circulation J 64(suppl IV) : 1153-1219, 2004
11) 小越和栄,金子榮蔵,多田正大,他.内視鏡治療時の抗凝固・抗血小板療法に関する指針.Gastroenterol Endosc 47 : 2691-2695, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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