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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 消化管内視鏡治療2006 総論

4. 偶発症総論

著者: 赤松泰次1 横澤秀一2 金子靖典2 井上勝朗12 新倉則和2 清澤研道2

所属機関: 1信州大学医学部附属病院内視鏡診療部 2信州大学医学部消化器内科

ページ範囲:P.443 - P.450

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要旨 近年,消化器内視鏡件数は増加傾向にあるが,内視鏡検査や治療に伴う偶発症の発生件数や死亡数の頻度は必ずしも減少せず,医事紛争は増加している.偶発症は“いつ”起きるかはわからないが,“なに”が起こりうるかはそれぞれの手技によってあらかじめわかっている.したがって起こりうる偶発症の内容を熟知して極力その防止に努めるとともに,万一偶発症が発生した場合には迅速で的確な対応が必要である.偶発症の発見の遅れは重症化の要因になる.対策としてはモニタリング機器や救急カートを内視鏡室に常備し,出血や穿孔に対する内視鏡処置具を常に用意しておくことが重要である.また,インフォームド・コンセントの徹底やクリニカルパスの作成を積極的に行うことも大切である.

参考文献

1) 金子栄蔵,原田英雄,春日井達造,他.消化器内視鏡関連の偶発症に関する第4回全国調査報告―1998年より2002年までの5年間.Gastrointest Endosc 46 : 54-60, 2004
2) 星原芳雄,山本敬,橋本光代,他.消化器内視鏡検査・治療過程で偶発した穿孔の治療方針.消化器内視鏡 14 : 159-163, 2002
3) 小野裕之.胃・十二指腸疾患に対するEMR施行時の穿孔の治療.消化器内視鏡 14 : 187-192, 2002
4) Kaneko T, Akamatsu T, Shimodaira K, et al. Nonsurgical treatment of duodenal perforation by endoscopic repair using a clipping device. Gastrointest Endosc 50 : 410-414, 1999
5) 藤城光弘,矢作直久,中村仁紀,他.偶発症の予防と対処―腸管穿孔の予防と対処.早期大腸癌 9 : 447-452, 2005
6) 井上勝朗,赤松泰次,横沢秀一,他.保存的治療にて治癒した医原性大腸穿孔の4例.Gastroenterol Endosc(in press)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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