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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 消化管内視鏡治療2006 総論

5. 内視鏡的切除標本の取り扱い

著者: 渡辺玄1 西倉健1 小林正明2 竹内学2 橋本哲2 味岡洋一1

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・診断病理学分野 2新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野

ページ範囲:P.451 - P.457

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要旨 切除断端判定も含めた的確な病理診断を行うためには,内視鏡切除標本の適切な取り扱いが必須である.取り扱い過程は,①標本の伸展,②ホルマリン固定,③肉眼観察,④切り出し線の決定(割入れ),からなるが,原則的には内視鏡切除施行医自身が行うことが望ましい.標本伸展は,切除断端の明確化と病変の内視鏡像が再現された病理標本を作製するために必要である.肉眼観察には色素撒布や実体顕微鏡観察が有用である.割入れ前と後の写真を撮影し,病理診断依頼書に添付する.それを元に病変のマッピングを行うことで,正確な切除断端判定と内視鏡診断精度の検証が可能になり,内視鏡診断精度の向上にもつながる.

参考文献

1) 渡辺英伸,岩渕三哉,佐々木亮,他.切除胃病変の肉眼所見と組織所見との対比.胃と腸 23 : 83-91, 1988
2) 中川悟,渡辺英伸.食道粘膜癌の肉眼系分類,深達度亜分類とその相関―病理の立場から.胃と腸 29 : 273-288, 1994
3) 渡辺英伸.組織所見と肉眼所見との対比.病変の再構築(3)腸―その2.胃と腸 23 : 117-120, 1998
4) 味岡洋一,渡辺英伸.内視鏡材料の取り扱い.多田正大,長廻絋(編).老健法大腸癌検診に対応するための大腸検査法マニュアル.医学書院,pp 164-177, 1994
5) 工藤進英.早期大腸癌―平坦・陥凹型へのアプローチ,1版.医学書院,1993
6) 日本胃癌学会(編).胃癌取扱い規約,13版.金原出版,1999
7) 大腸癌研究会(編).大腸癌取扱い規約,7版.金原出版,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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