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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 消化管内視鏡治療2006 各論 1.早期癌に対する内視鏡治療

3)胃 (3)ESD ⑤ 三角ナイフ

著者: 井上晴洋1 佐藤嘉高1 加賀まこと1 菅谷聡1 若村邦彦1 和田祥城1 乾正幸1 里館均1 工藤進英1

所属機関: 1昭和大学横浜市北部病院消化器センター

ページ範囲:P.538 - P.542

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要旨 三角ナイフは,ESDの先端処置系の道具であり,3方向に尖っているため,軸合わせの必要のないナイフである.基本手技は,標的の組織を三角プレートの角にフック様に引っ掛けて,消化管内腔側に筋層表面から挙上して,電気メスで切離する.マーキング,プレカッティング,周辺切開,粘膜下層剝離などの一連の手技をこれ1本で行う.マーキングのみはプレートを外筒に格納したままで,Forced coagulation 40W,effect 3(ICC200,VIO,ERBE)で行い,その後の一連の手技(プレカッティング,周辺切開,粘膜下層剝離など)はSwift coagulation 40W,effect 4(VIO,ERBE)で行う.ESDに際して,使用する処置具は,局注針,三角ナイフ,止血鉗子の3つがあれば実施可能である.本稿では,三角ナイフを用いたESDの実際と成績を概説する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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