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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 消化管内視鏡治療2006 各論 1.早期癌に対する内視鏡治療

4)大腸 (1)スネア法

著者: 山野泰穂1 黒田浩平1 佐藤健太郎1 吉川健二郎1 東谷芳史1 山内俊一1 田端美弥子1 高木亮1 林武雅1

所属機関: 1秋田赤十字病院消化器病センター

ページ範囲:P.545 - P.549

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要旨 スネアを用いた内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection ; EMR)は,現在では大腸内視鏡治療の基本手技になっている.被検者へのインフォームド・コンセント,EMRの適応を考慮した上で行わなければならないが,大腸では壁厚が薄く,柔軟であるため穿孔などの偶発症も危惧される.そのため術者は,基本的事項としてスネアの選択,位置取り,局注およびスネアリングの仕方を熟知した上で,謙虚な姿勢を守り,的確な手順を踏むことで安全にEMRを行うことが可能である.また適切な切除標本の取り扱いも正しい病理診断を得るために重要である.EMRの目的は単なる切除ではなく,患者利益に繋がることを肝に銘じておく必要があると考える.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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