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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 消化管内視鏡治療2006 コラム

回収法

著者: 清水誠治1

所属機関: 1大阪鉄道病院消化器内科

ページ範囲:P.560 - P.560

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 大腸における内視鏡摘除標本の回収法は,鉗子チャンネルを通して吸引する方法と,鉗子で把持して回収する方法に大別される.鉗子チャンネルを経由してトラップで回収する方法では,スコープにより異なるが7mm前後までの病変が対象になる.トラップのチャンバーを変えていけば病変の数に制限はない.少し大きめの病変であっても把持鉗子で牽引して鉗子チャンネルに格納できれば吸引による回収が可能になる.それ以上の大きさの病変では吸引口に吸着した状態,あるいは鉗子で把持した状態でスコープとともに引き戻して回収する.この目的には三脚あるいは五脚の把持鉗子が使用されることが多いが,把持力が弱いため大きな病変の回収には適さない.むしろ切除に使用したスネアを病変中央にかけて軽く絞扼すれば全く同様に病変の回収が可能であり,器具の入れ替えが不要であり簡便である(Fig. 1).特に大きな有茎性病変を切除した際には,茎の部分を絞扼すれば脱落や絞断の危険性が少なく,強力な把持力を発揮できる(Fig. 2).また回収ネットを用いれば大きな病変を損傷なく回収することが可能である(Fig. 3).

 大型の病変が多発している場合,下部大腸であれば病変を切除するたびにスコープを引き抜いて回収することが可能であるが,深部大腸では難しい.あらかじめ大型の病変が存在することが判明している場合には,スライディング・チューブを下行結腸に留置しておくと,回収ルートとして利用できる.予期せず,深部大腸で比較的大型の多発性病変を治療する必要が生じた場合には,バスケット鉗子や回収ネットを用いれば複数の病変の回収が可能である.しかし,前者ではせいぜい3個が限度であり,後者では多分割の標本の回収を含めて収納できる総容量が大きいが一度収納すると外すことができない.多少煩雑ではあるが,糸付きクリップを用いて複数の病変を回収することも可能である.吸引での回収はできないが良性であることが明らかな病変であれば,スネアで分割したうえで吸引して回収することもある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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