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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 消化管内視鏡治療2006 各論 2. 良性腫瘍に対する内視鏡治療

1)上部消化管 (1)ポリープ

著者: 田辺聡1 西村賢1 下田拓也1 中谷研斗1 鼻岡昇1 樋口勝彦1 佐々木徹1 堅田親利1 小泉和三郎1 西元寺克禮1

所属機関: 1北里大学東病院消化器内科

ページ範囲:P.567 - P.572

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要旨 胃のポリープを中心にポリペクトミーの適応,手技,偶発症について述べた.ポリペクトミーの適応は,①貧血の原因,②局在癌の可能性,③精神的ストレスとなり不定愁訴の原因,④幽門輪への嵌頓による通過障害,などである.出血性素因がある場合には禁忌となる.高周波電源装置,高周波スネアは,病変の性状に応じてモードの選択や使用する器具を選択する必要がある.また,偶発症(出血,穿孔)の発生に十分に注意しなければならない.胃のポリペクトミーは消化管腫瘍に対する内視鏡的切除の最も基本となる手技である.EMRの初心者向けの治療と思われがちであるが,十分なインフォームド・コンセントのもとに処置具や基本手技を熟知して臨むことが肝要と考える.

参考文献

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6) 横山靖,西元寺克禮.上部消化管のポリペクトミー.藤田力也,比企能樹(編).消化器内視鏡治療マニュアル.南江堂,pp 27-44, 1992
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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