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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 消化管内視鏡治療2006 各論 3. 通過障害に対する内視鏡治療

1)拡張術(バルーンブジー,硬性ブジー) (1)上部消化管

著者: 有馬美和子1 有馬秀明2 多田正弘1

所属機関: 1埼玉県がんセンター消化器内科 2有馬外科胃腸科

ページ範囲:P.617 - P.622

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要旨 上部消化管狭窄を拡張する目的は主に摂食可能とすることであり,拡張器具はTTS型CREバルーンが普及している.急激な過度の拡張は穿孔を誘発するので注意を要する.逆流性食道炎では炎症を改善させたうえで,段階的に拡張する.食道空腸吻合は大半が膜様狭窄で,1回で十分な拡張が得られることが多い.食道癌術後吻合部狭窄は縫合不全が起因していることが多く,難渋する場合がある.胸壁前吻合は屈曲が強く,硬性ブジーも有用であり,状況に応じて使い分ける必要がある.EMR後の狭窄は拡張時期が遅れると瘢痕狭窄が高度になるので,早期から計画的に行う.アカラシアは進行性疾患であり,軽症例に対してバルーン拡張を行う.

参考文献

1) 嶋尾仁.上部消化管狭窄に対する内視鏡的バルーン拡張術の基本とコツ.消化器内視鏡 17 : 1645-1647, 2005
2) 杉山正彦,金森豊,朝長哲弥,他.食道拡張で穿孔をきたした―診断と処置.小児外科 36 : 1289-1293, 2004
3) 門馬久美子,吉田操,玉山隆章,他.手術非適応食道癌の治療.バルーン拡張術.消化器の臨床 2 : 648-650, 1999
4) 丹黒章,林弘人,吉野茂文,他.食道アカラシアに対するバルーン拡張術.日外会誌 101 : 345-351, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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