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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 消化管内視鏡治療2006 各論 3. 通過障害に対する内視鏡治療

2)ステント留置術 (1)上部消化管 ② 胃・十二指腸

著者: 川口実1

所属機関: 1国際医療福祉大学附属熱海病院内科

ページ範囲:P.637 - P.641

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 胃・十二指腸悪性狭窄に対するステント留置はあくまでも対症療法の1つである.ステント留置前に全身の検査を行い,ステント留置で狭窄症状の緩和が期待できる場合にのみ行うべきである.ステントは食道用に開発されたSEMSが使われている.したがって胃・十二指腸では時にステント留置が困難な場合もある.留置成功率は80~100%,食事摂取改善率は50~90%と報告されている.今後,胃・十二指腸悪性狭窄に対するステント留置適応症例は増えると思われるが,さらなる器具の改良と手技の開発が必要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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