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特集 消化管内視鏡治療2006 各論 4. 出血に対する内視鏡治療
1)クリップ
著者: 三宅直人1 長南明道1
所属機関: 1仙台厚生病院消化器内視鏡センター
ページ範囲:P.659 - P.662
文献購入ページに移動要旨 消化管出血に対する内視鏡的止血術は広く普及しており,その方法も多岐にわたる.その1つであるクリップ法に用いるクリップ装置とクリップは種々のものが市販されており,止血を行う病変の部位や硬さによって使い分けることが可能である.クリップ法による止血術は,露出血管を伴う潰瘍出血や憩室出血が良い適応である.クリップ法には出血点の確認が重要であり,確実な止血のためには,可能な限り出血点を正面視し,処置を行うことが肝要である.クリップ法などの機械的止血法は組織の変性がほとんどなく,比較的安全に施行することができるが,クリップ法による止血術が困難な場合には,他法の選択や他法と併用することが重要である.
参考文献
1) 林貴男.内視鏡止血用クリップの考案と応用.Gastroenterol Endosc 17 : 92-101, 1975
2) 蜂巣忠,山田英夫,佐藤慎一.上部消化管出血の止血術はどこまで可能か.クリップ法.消化器内視鏡 8 : 1205-1207, 1996
3) 松本和也,村脇善之,村脇義和,他.十二指腸憩室出血に対する内視鏡的クリップ止血術後に限局性腹膜炎を来した1例.Gastroenterol Endosc 47 : 332-335, 2005
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