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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 消化管内視鏡治療2006 各論 5. 静脈瘤に対する内視鏡治療

3)直腸・肛門静脈瘤(内痔核)

著者: 松田圭二1 安達実樹2 味村俊樹1 山田英樹1 大見琢磨1 荒井武和1 矢後尋志1 白京訓1 野澤慶次郎1 小平進1 冲永功太1

所属機関: 1帝京大学医学部外科 2国際医療福祉大学附属三田病院外科

ページ範囲:P.687 - P.689

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要旨 直腸静脈瘤,内痔核に対する内視鏡治療を述べた.内視鏡的結紮術では,反転能が優れている内視鏡を用い,結紮器具は食道静脈瘤用の器具を使用する.観察後,内視鏡の先端に結紮器具を装着し,静脈瘤や内痔核を結紮する.内視鏡的硬化療法は,食道静脈瘤用の硬化療法針を使用し,静脈瘤や内痔核周囲の粘膜下層に0.5~1%のaethoxysklerolを注入するか,あるいは静脈瘤を穿刺し血液の逆流を確認後,透視下で5%ethanolamine oleate with iopamidolを用いて静脈瘤造影を行う.門脈圧亢進症患者の下血には内視鏡治療が推奨される.痔核出血では,まずは肛門鏡下止血を行う.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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