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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 消化管内視鏡治療2006 各論 6. 異物に対する内視鏡治療

異物に対する内視鏡治療

著者: 蔵原晃一1 渕上忠彦1 小林広幸1 堺勇二1 小田秀也1 別府孝浩1 吉野修郎1 渡邊隆1 浦岡尚平1

所属機関: 1松山赤十字病院消化器科

ページ範囲:P.690 - P.694

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要旨 消化管異物はその機械的あるいは化学的刺激によって消化管穿孔や腸閉塞などの重篤な合併症を惹起する可能性がある.その治療方針は異物の部位と種類によって異なる.上部消化管では,食道嵌入例とボタン電池あるいは鋭的異物誤嚥例において消化管穿孔の危険性が高く,直ちに内視鏡的摘出術を施行する.内視鏡的摘出術の際には,個々の異物の形状に適した処置具を選択し,回収時のadditional damageを予防するために透明フードなどの補助具を併用すべきである.経肛門的に挿入された大型の直腸内異物に対しては,腰椎麻酔下の経肛門的外科的摘除も考慮する.

参考文献

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2) 渕上忠彦,佐藤邦夫,田尻久雄.異物摘出術ガイドライン.日本消化器内視鏡学会(編).消化器内視鏡ガイドライン,2版.医学書院,pp 194-203,2002
3) Eisen GM, Baron TH, Dominitz JA, et al. Guideline for the management of ingested foreign bodies. Gastrointest Endosc 55 : 802-806, 2002
4) 大津一弘,古田靖彦,塩田仁彦.小児消化管異物216例の検討.日臨外会誌 61 : 1698-1703, 2000
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8) 鈴木茂.食道異物の種類別摘出法.消化器内視鏡 12 : 704-705, 2000
9) 坂本照夫,高須修,廣橋伸之,他.消化管異物による出血と穿孔.救急医学 23 : 813-817, 1999
10) 河野弘志,鶴田修,吉森健一.緊急内視鏡検査を必要とする下部消化管疾患 ; 大腸異物.臨床消化器内科 5 : 565-570, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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