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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 消化管内視鏡治療2006 各論 8. 内視鏡治療の偶発症の対策

2)胃

著者: 小野裕之1

所属機関: 1静岡県立静岡がんセンター内視鏡科・消化器内科

ページ範囲:P.709 - P.714

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要旨 胃疾患に対する内視鏡治療に伴う偶発症の多くは,ポリペクトミー,EMR(ESDを含む)など,胃腫瘍に対する治療の際に起こる.治療時の出血に対しては止血鉗子などのクリップ以外の手法が用いられる場合が多い.後出血予防には,切除後潰瘍面の血管の十分な焼灼が有用であると思われるが,過度の焼灼は遅延性穿孔の原因になりうるので注意が必要である.また,穿孔に対してはクリップによる縫縮により多くは保存的に治療可能である.穿孔時の気腹は重篤な腹部コンパートメント症候群を引き起こす可能性があり,患者のモニタリングが重要である.

参考文献

1) 蜂巣忠.上部消化管出血に対する経内視鏡的クリップ止血法(改良型クリップの開発と使用経験).Gastroenterol Endosc 27 : 276-281, 1985
2) 小野裕之.EMR後の穿孔に対するクリップによる縫縮術.臨床消化器内科 16 : 123-126, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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