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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻5号

2006年04月発行

文献概要

今月の主題 陥凹性小胃癌の診断―基本から最先端まで 序説

陥凹性小胃癌の診断―基本から最先端まで

著者: 芳野純治1

所属機関: 1藤田保健衛生大学第二病院内科

ページ範囲:P.739 - P.740

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胃癌の大きさ

 胃癌は病変の大きさが大きくなるに従い,様々な要素が付加され複雑な形態を呈するようになる.小さな胃癌の形態は胃癌の初期像を表すものとして検討されてきた.「胃と腸」の主題として,小さな胃癌を取り上げたのは5巻8号「診断された微小胃癌」(1970年),14巻8号「微小胃癌」(1979年),23巻7号「微小胃癌診断―10年の進歩」(1988年),30巻10号「微小胃癌」(1995年)がある.微小胃癌の大きさは5巻では長径10mm以下として検討されたが,それ以降の主題では5mm以下として検討され,3mmが臨床診断の限界とされる.現在では微小胃癌とは5mm以下の病変であり,小胃癌とは6mm以上で10mmまでの大きさの胃癌を指している.微小胃癌の診断は臨床診断の限界を極めることも目的として,新しい診断技術や治療法の開発に従い,その節目の時期に検討されてきた.その経緯については,30巻10号の序説「微小胃癌―過去・現在・未来」(岡崎幸紀)に記載されている.

 さて,大きさが10mm程度になると,基本的な胃癌の所見を呈してくる.本主題では対象を小胃癌として,その形態,および10mm前後の大きさの陥凹性病変との鑑別診断が行われた.この程度の大きさの陥凹性病変は日常の診療において遭遇する頻度が高く,時に,良悪性の診断に苦慮することがある.

参考文献

1) 西沢護,野本一夫,細井董三,他.早期胃癌診断におけるルーチン検査の確かさ―内視鏡検査(panendoscopy)からみて.胃と腸 20 : 949-954, 1985
2) 浜田勉,加治文也,窪田久,他.胃癌診断におけるルーチン検査の確かさ―X線検査の立場から.胃と腸 20 : 961-967, 1985
3) Hosokawa O, Kaizaki Y, Nakaya T, et al. Retrospective study of endoscopic findings : 250 cases of gastric cancer. Digestive Endoscopy 12 : 136-140, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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