icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻6号

2006年05月発行

文献概要

今月の主題 非定型的炎症性腸疾患―診断と経過 序説

indeterminate colitis―概念と診断

著者: 樋渡信夫1

所属機関: 1いわき市立総合磐城共立病院

ページ範囲:P.867 - P.868

文献購入ページに移動
indeterminate colitisの概念

 潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis ; UC)とCrohn病(Crohn's disease ; CD)は,その臨床的,形態学的(内視鏡,X線所見),病理学的特徴と類縁疾患を除外することにより総合的に診断される.典型例においては,確診に際して困難を感じることはほとんどなく,それぞれ独立した疾患単位として扱われている.しかしながら,非典型例では鑑別が困難なこともあり,またともに病因が不明で,特徴的所見が一部overlapすることもあり,炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease ; IBD)と総称されることもある.

 Priceらは,激症型の大腸炎で手術された症例の標本を肉眼的,組織学的に検討し,UCとCDの特徴的所見を併せ持った鑑別困難例を仮の診断としてindeterminate colitis(IC ; “分類不能大腸炎”)の名称で初めて報告した1)

参考文献

1) Price A. Overlap in the spectrum of non-speific inflammatory bowel disease : “colitis indeterminate”. J Clin Pathol 31 : 567-677, 1978
2) 樋渡信夫.クローン病の診断基準改訂案(2002).厚生科学研究費補助金特定疾患対策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班平成 13 年度研究報告書.pp 76-77, 2002
3) Geboes K, Hertogh GF. Indeterminate colitis. Inflamm Bowel Dis 9 : 324-331, 2003
4) Yantiss RK, Odze RD. Diagnostic difficulties in inflammatory bowel disease pathology. Histopathology 48 : 116-132, 2006
5) Matsui T, Yao T, Sakurai T, et al. Clinical features and pattern of indeterminate colitis : Crohn's disease with ulcerative colitis-like clinical presentation. J Gastroenterol 38 : 647-655, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら