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今月の主題 非定型的炎症性腸疾患―診断と経過 序説
indeterminate colitis―概念と診断
著者: 樋渡信夫1
所属機関: 1いわき市立総合磐城共立病院
ページ範囲:P.867 - P.868
文献購入ページに移動潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis ; UC)とCrohn病(Crohn's disease ; CD)は,その臨床的,形態学的(内視鏡,X線所見),病理学的特徴と類縁疾患を除外することにより総合的に診断される.典型例においては,確診に際して困難を感じることはほとんどなく,それぞれ独立した疾患単位として扱われている.しかしながら,非典型例では鑑別が困難なこともあり,またともに病因が不明で,特徴的所見が一部overlapすることもあり,炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease ; IBD)と総称されることもある.
Priceらは,激症型の大腸炎で手術された症例の標本を肉眼的,組織学的に検討し,UCとCDの特徴的所見を併せ持った鑑別困難例を仮の診断としてindeterminate colitis(IC ; “分類不能大腸炎”)の名称で初めて報告した1).
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