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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻7号

2006年06月発行

文献概要

今月の主題 Helicobacter pyloriに起因しないとされる良性胃粘膜病変 主題

Helicobacter pylori陽性と陰性の胃粘膜所見の特徴―胃X線所見

著者: 中島滋美12 山岡水容子2 土井馨3 野須原厚志3 西村政彦3 佐藤仁1 嶋田光恵1 宮川明子1 井上徹也1 奥村嘉章1 山下敬司3

所属機関: 1社会保険滋賀病院内科 2社会保険滋賀病院健康管理センター 3社会保険滋賀病院放射線科

ページ範囲:P.1001 - P.1008

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要旨 Helicobacter pylori抗体陽性の胃のX線画像の特徴は,粗ぞうな胃粘膜像93.2%,体部大彎側にひだが分布するC型分布とひだが消失またはほとんど消失しているD型分布77.2%で,ひだの形は丈が高く,立ち上がりが急で,伸展性が悪く,表面が不整なもの(異常型)と消失型ひだを合わせると91.3%であった.ひだの太さは4.5mm以上のものが82.4%であった.Helicobacter pylori抗体陰性の胃では,86.7%が平滑な胃粘膜像を示し,ひだの分布は体部大彎から小彎まで分布するAまたはB型が68.6%,ひだの形は正常または中間型が69.8%,ひだの太さは4.5mm未満が72.7%であった.

参考文献

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10) 日本消化器集団検診学会胃 X 線撮影法標準化委員会.新・胃 X 線撮影法(間接・直接)ガイドライン.メディカルレビュー社,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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