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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻9号

2006年08月発行

症例

ダブルバルーン小腸内視鏡にて観察しえたMeckel憩室の1例

著者: 花畑憲洋1 三上達也1 福田真作1 西谷大輔1 山口佐都子1 佐々木聡1 石黒陽1 佐々木賀広2 村田暁彦3 鬼島宏4 東野博5 棟方昭博1

所属機関: 1弘前大学第1内科 2弘前大学光学医療診療部 3弘前大学第2外科 4弘前大学第2病理 5弘前市立病院内科

ページ範囲:P.1321 - P.1325

文献概要

要旨 患者は31歳,男性.下血後の意識消失にて弘前市立病院入院.諸検査の結果,小腸出血が疑われ当科紹介.99mTcO4-シンチグラフィーで臍下部に異常集積像を認め,ダブルバルーン小腸内視鏡検査を施行したところ回腸に憩室が観察され,Meckel憩室と診断した.術中所見では,回腸末端より口側85cmの腸間膜対側に10×2cmの憩室が確認された.病理組織学的には真性憩室で,異所性胃粘膜および膵組織を伴っていた.術前の下部消化管内視鏡検査では確認できなかったが,ダブルバルーン小腸内視鏡を用いることによって診断が可能であった.ダブルバルーン小腸内視鏡は通常の内視鏡検査で出血源がわからない消化管出血に対し有用であると考えられた.

参考文献

1) Cywes S, Millar JWA. Meckel's diverticulum-Embryology and anomalies of the intestine. In Haubrich W, Schaffner F, Berk JE(eds). Bockus Gastroenterology, 5th ed. W.B. Saunders Co, Philadelphia, pp 912-914, 1995
2) 佐藤寿一,福富久之.腸異所性胃粘膜.消化管症候群(下巻) 別冊日本臨牀.pp 373-375, 1994
3) 蒲池紫乃,八尾恒良,大田恭弘.Meckel 憩室.八尾恒良,飯田三雄(編).小腸疾患の臨床.医学書院,pp 95-101, 2004
4) Burt TB, Knochel JQ, Datz FL, et al. Uterine activity : A potential case of false-positive Meckel's scans. J Nucl Med 22 : 886-887, 1981
5) Yamamoto H, Sekine Y, Sato Y, et al. Total enteroscopy with a nonsurgical steerable double-balloon method. Gastrointest Endosc 53 : 216-220, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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