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文献詳細

雑誌文献

胃と腸41巻9号

2006年08月発行

文献概要

研究

陥凹型胃癌に対するX線的深達度診断プロセス

著者: 中原慶太1 立石秀夫1 鶴田修1 渡辺靖友1 田宮芳孝1 芹川習1 米湊健1 豊永純1 佐田通夫1 武田仁良2 有馬信之3

所属機関: 1久留米大学医学部内科学講座・消化器内科部門 2久留米大学医学部外科学講座 3熊本市民病院病理

ページ範囲:P.1327 - P.1343

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要旨 目的:X線的な胃癌深達度診断プロセスの妥当性をprospective studyによって明らかにする.対象:陥凹主体のc0型形態と術前判定した胃癌440病変.方法:X線的な撮影手技(①二重造影法の造影剤の厚さ,②空気量,③撮影角度の変化,④撮影法の変化,⑤圧迫法の強弱の変化)を加味した深部浸潤を疑う5つの指標を設定し,術前深達度の判定基準を各指標の描出(+)が2つ以上をcSM2以深,これ以外をcM~SM1とした.深達度診断能の評価は,cSM2以深の診断能として陽性適中率,陰性適中率,感度,特異度,正診率(鑑別率)で行った.結果:1)各指標単独で判定した深達度診断能:各所見の描出(+)をcSM2以深と判定した場合,各手技の難易度に差があり,感度がすべて60%前後と低かった.したがって各指標を用いて診断を補う必要がある.2)判定基準別にみた深達度診断能:5つの指標のうち描出(+)が1つ以上をcSM2以深とした基準では,陽性適中率70%と低率で深読みの傾向,3つ以上の基準では感度56%と浅読みの傾向となり,2つ以上とした今回の判定基準がすべて80~90%台で最も妥当と思われた.3)潰瘍合併別にみた深達度診断能:cUl(-)の診断能は上記のいずれも90%前後と良好であったが,cUl(+)の診断能は80%台にとどまった.結論:今回示した診断プロセスの妥当性が証明された.さらなる診断能向上のためには,cUl(+)の誤診例の解析や撮影技術・読影能の向上が必要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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