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文献詳細

雑誌文献

胃と腸42巻1号

2007年01月発行

文献概要

今月の主題 胃分化型SM1癌の診断―垂直浸潤500μm 序説

胃分化型癌SM1癌の診断―"500μm"は何とかならないか?

著者: 八尾恒良12

所属機関: 1佐田病院胃腸科 2福岡大学名誉教授

ページ範囲:P.5 - P.6

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 胃癌治療ガイドライン(第2版)1)によるEMR(endoscopic mucosal resection)の適応はM癌では①分化型癌UL(-),②分化型癌UL(+),3cm以下,とされている.そして,EMR後の切除標本の病理検索で水平断端(-)でも①pSM1(SM垂直浸潤距離500μm以下)で脈管侵襲(-)であれば経過観察,②pSM浸潤が500μmを超える場合はリンパ節郭清を伴う胃切除が必要,とされている.したがって内視鏡治療の現場では,切除技術のほかに,pMおよびpSM1癌とpSM2癌(垂直浸潤距離が500μmを超えるもの)を術前に鑑別してESD(endoscopic submucosal dissection)の適応を決め,術後の病理診断によって患者さんのその後の治療方針を決定することになる.

参考文献

1) 日本胃癌学会(編).胃癌治療ガイドライン医師用,2 版.金原出版,2004
2) 小野裕之,吉田茂昭.胃癌の深達度診断―内視鏡からみた深達度診断.胃と腸 36 : 334-340, 2001
3) 中原慶太,立石秀夫,鶴田修,他.陥凹型胃癌に対する X 線的深達度診断プロセス.胃と腸 41 : 1327-1343, 2006
4) 長南明道,三島利之,安藤正夫,他.胃癌の深達度診断―超音波内視鏡像からみた深達度診断.胃と腸 36 : 553-558, 2001
5) 木田光広,国東幹夫,渡辺摩也,他.潰瘍の有無からみた早期癌の EUS 診断.胃と腸 34 : 1095-1103, 1999
6) 中村常哉,田近正洋,河合宏紀,他.切開・剥離法(ESD)に必要な胃癌術前診断―超音波内視鏡診断.胃と腸 40 : 779-790, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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