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文献詳細

雑誌文献

胃と腸42巻1号

2007年01月発行

文献概要

今月の主題 胃分化型SM1癌の診断―垂直浸潤500μm 主題

胃分化型SM1癌(垂直浸潤500μm未満)の診断―500μm以上と対比して―ひだ集中のない陥凹型早期胃癌における内視鏡診断

著者: 草野央1 後藤田卓志1 小田一郎1 池原久朝1 松田尚久1 斉藤豊1 斉藤大三1 谷口浩和2 下田忠和2

所属機関: 1国立がんセンター中央病院消化器内視鏡部 2国立がんセンター中央病院臨床検査部病理

ページ範囲:P.39 - P.46

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要旨 病理組織学的にSM癌と診断された,ひだ集中のない分化型陥凹型早期胃癌294例を対象とし,内視鏡画像の見直し診断により,SM1,SM2癌の内視鏡所見の違いを検討した.SM浸潤部の最大径の平均値は,SM2:10.4mm,SM1:2.6mmとSM1癌では小さな範囲での浸潤であった.SM2癌は,腫瘍径20mm以上の病変,肉眼型では表面複合型,陥凹面の色調では発赤の強い病変,陥凹内結節の有無では結節の存在する病変においてSM1癌に比し多くなっていた.SM2癌は,SM1癌と異なる内視鏡所見を有しており,上記所見はSM2癌を示唆する内視鏡的指標になりえると考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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