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文献詳細

雑誌文献

胃と腸42巻1号

2007年01月発行

文献概要

今月の主題 胃分化型SM1癌の診断―垂直浸潤500μm 主題

超音波内視鏡検査による胃分化型SM1癌の深達度診断

著者: 磯部祥1 芳野純治1 乾和郎1 若林貴夫1 奥嶋一武1 小林隆1 三好広尚1 中村雄太1 加藤芳理1 木村行雄1

所属機関: 1藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院消化器内科

ページ範囲:P.79 - P.87

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要旨 分化型SM胃癌84例(SM1癌25例,SM2癌59例)に対する超音波内視鏡検査による診断能をみた.正診率は全体で77.4%,SM1癌で56.0%,SM2癌で86.4%であった.UL(-)病変48例の正診率は72.9%,SM1癌で50.0%,SM2癌で80.6%であった.UL(-)病変でのEUSにおける第3層の変化を不整型,欠損型,混合型に分類したところ,SMと正診できたSM1癌はすべて不整型であった.不整型は欠損型,混合型に比較して粘膜下層内での深達距離が浅く,混合型に比較して粘膜下層内での病変の拡がりが狭かった.粘膜筋板下端より750μm浸潤していればSM病変と診断可能であった.

参考文献

1) 日本胃癌学会(編).胃癌治療ガイドライン,2 版.金原出版,pp 6-9, 2004
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12) 足立洋祐,吉岡篤史,宮坂有香,他.早期胃癌の診断治療における超音波内視鏡の役割.Tama Symposium Journal of Gastroenterology 19 : 21-24, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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