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文献詳細

雑誌文献

胃と腸42巻10号

2007年09月発行

文献概要

今月の主題 大腸腫瘍内視鏡切除後のサーベイランスに向けて 主題

大腸SM癌の内視鏡摘除後のfollow up

著者: 東野晃治1 飯石浩康1 竜田正晴1 井上拓也1 木津崇1 三好里佳1 加藤元彦1 増田江利子1 辰巳功一1 竹内洋司1 石原立1 上堂文也1 松村真生子1 石黒信吾2

所属機関: 1大阪府立成人病センター消化器内科 2PCL大阪病理・細胞診センター

ページ範囲:P.1477 - P.1482

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要旨 われわれは1994年4月~2002年12月に内視鏡摘除(ER)を行った128症例,全131病変の大腸SM癌を大腸癌治療ガイドラインのER適応内と適応外に大別し,さらにそれぞれ追加手術例と非追加手術例に分けてER後の経過について検討した.適応病変は65例68病変で4病変(5.9%)に局所遺残を認めたが,いずれの病変も制御が可能で,ER適応基準の安全性が証明された.一方,適応外病変は63例63病変あり,追加手術症例49例のうち4例(8.2%)に局所再発,遠隔転移を認め,1例は肝転移のため原癌死した.非追加手術例14例のうち1例に局所再発を認めた.肝細胞癌合併例1例は1年後に肝細胞癌のために死亡した.適応外病変では,慎重な経過観察が必要である.

参考文献

1)大腸癌研究会(編).大腸癌治療ガイドライン―医師用2005年版.金原出版,2005
2) Kudo S. Endoscopic mucosal resection of flat and depressed early colorectal cancer. Endoscopy 25:455-461, 1993
3)石黒信吾,下村哲也,楢原啓之,他.大腸sm癌内視鏡的切除後の外科的追加切除の適応に関する検討.胃と腸 34:780-784, 1999
4)田中信治,五十嵐正広,小林清典,他.大腸SM癌内視鏡治療後のサーベイランス.武藤徹一郎(監).大腸疾患NOW 2007.日本メディカルセンター,pp 112-120, 2007
5) Tanaka S, Haruma K, Oh-e H, et al. Conditions of curability after endoscopic resection for colorectal carcinoma with submucosally massive invasion. Oncol Rep 7:783-788, 2000
6) Ueno H, Mochizuki H, Hashiguchi Y, et al. Risk factors for an adverse outcome in early invasive colorectal carcinoma. Gastroenterology 127:385-394, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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