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文献詳細

雑誌文献

胃と腸42巻10号

2007年09月発行

今月の主題 大腸腫瘍内視鏡切除後のサーベイランスに向けて

主題研究

大腸SM癌内視鏡切除標本のSM浸潤度判定の実際と問題点―大腸癌研究会プロジェクト研究から

著者: 味岡洋一1 田中信治2

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・診断病理学分野 2広島大学病院光学医療診療部

ページ範囲:P.1501 - P.1510

文献概要

要旨 大腸癌研究会プロジェクト研究の一環として,大腸SM癌内視鏡切除標本のSM浸潤距離および浸潤度判定(浸潤距離1,000μm未満か以上か)の,病理医によるばらつきの現状とその要因を検討した.非有茎性SM癌のSM浸潤距離は,診断者により400μm前後の差異があった.SM浸潤度判定では,"粘膜筋板の変形・走行の乱れ・断片化"例または"筋板消失"例での一致率が低かった(77.8%と85.4%).有茎性SM癌では,"粘膜筋板錯綜例と非錯綜例"の取り扱いで,病理医により大きな乖離があった.今後,大腸癌治療ガイドラインに示されたSM浸潤度判定法の病理による解釈および実際の運用面での幅を狭めて行く必要がある.

参考文献

1)大腸癌研究会(編).大腸癌治療ガイドライン―医師用2005年版.金原出版,2005
2)喜多嶋和晃,藤盛孝博,藤井茂彦,他.大腸sm癌の取扱い.a. sm浸潤度の規定はどうあるべきか? 武藤徹一郎(監).渡辺英伸,杉原健一,多田正大(編).大腸疾患NOW.日本メディカルセンター,pp 49-59, 2004
3)大腸癌研究会(編).大腸癌取扱い規約,7版.金原出版,2006
4)味岡洋一,渡辺英伸,小林正明,他.大腸sm癌の細分類(浸潤度分類)とその問題点.胃と腸 29:1117-1125, 1994
5)味岡洋一,渡辺英伸,横山純二,他.sm癌診断における粘膜筋板の判定方法(3)癌のsm浸潤に伴う粘膜筋板の変化と大腸sm癌の浸潤度判定.早期大腸癌 4:145-154, 2000
6)味岡洋一,渡辺英伸,本間照.大腸癌の肉眼像と組織所見との対比.胃と腸 35:1300-1305, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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