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文献詳細

雑誌文献

胃と腸42巻11号

2007年10月発行

文献概要

今月の主題 ESD時代における未分化型混在早期胃癌の取り扱い 主題

未分化型混在早期胃癌の臨床的特徴と問題点―拡大内視鏡を中心に

著者: 小山恒男1 友利彰寿1 堀田欣一1 高橋亜紀子1 北村陽子1 古立真一1 宮田佳典1

所属機関: 1佐久総合病院胃腸科

ページ範囲:P.1625 - P.1634

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要旨 対象と方法:2006年1月から12月に佐久総合病院胃腸科にてESDが施行された分化型優位胃癌116例119病変を対象とし,占居部位,肉眼型,大きさ,NBI拡大内視鏡所見をretrospectiveに検討した.NBI拡大観察下にマーキングを施行し,全例を一括切除した.割入り後の実態顕微鏡写真上に組織型を分化型と未分化型に分類してマッピングした.マッピング写真と術前のNBI拡大写真を対比し,未分化型部分のNBI拡大内視鏡所見を検討した.結果:未分化型癌混在率は腫瘍長径20mm以下1.4%(1/73),21mm以上24.0%(11/46),隆起型6.3%(4/63),陥凹型14.3%(8/56),U領域19.4%(6/31),M領域6.5%(2/31),L領域7.0%(4/57)であり,独立した危険因子は腫瘍長径21mmであった.未分化型混在癌12症例中5例(42%)にNBI拡大内視鏡にて非network型の異常血管を認めた.他の7例中2例はsm浸潤部のみが未分化型で,粘膜内はすべて分化型癌であった.残りの5例は粘膜内の未分化型癌部分が2mm以下でありretrospectiveには非network型の異常血管を同定しえなかった.一方,2mm以下の未分化型癌を合併した7例中2例では非network型の異常血管が認められており,prospectiveに検討すれば正診率が向上することが期待された.結論:未分化型混在癌の危険因子は長径21mm以上の癌で,NBI拡大観察では未分化型癌部に非network型の異常血管を認めた.

参考文献

1) Nakayoshi T, Tajiri H, Matsuda K, et al. Magnifying endoscopy combined with narrow band imaging system for early gastric cancer:correlation of vascular pattern with histopathology. Endoscopy 36:1080-1084, 2004
2)友利彰寿,小山恒男,宮田佳典,他.陥凹性小胃癌の鑑別診断―NBIの立場から,胃と腸 41:795-803, 2006
3)小山恒男,宮田佳典,友利彰寿,他.Barrett食道癌の境界を読む―範囲診断を中心に.胃と腸 39:1243-1249, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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