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文献詳細

雑誌文献

胃と腸42巻13号

2007年12月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

食道胃接合部領域に発生し粘膜下腫瘍様形態を呈した表在型腺・内分泌細胞癌の1例

著者: 勝木伸一1 藤田朋紀1 近江直仁1 澤田健2 奥谷浩一2 荒谷純2 江副英理2 佐々木一晃2 高田義人2 藤田昌宏3 千葉大樹4 大沼啓之4 大西利佳4 古川孝広4 和賀永里子4 山田康之4 深浦純生4 佐々木宏嘉4 高山哲治4 加藤淳二4 新津洋司郎4

所属機関: 1小樽掖済会病院消化器病センター 2小樽掖済会病院外科 3恵佑会臨床病理学研究所 4札幌医科大学内科学第四講座

ページ範囲:P.1929 - P.1935

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要旨 症例は64歳,男性.主訴は心窩部痛,黒色便.上部消化管造影検査,内視鏡検査で十二指腸潰瘍の他に食道下部から噴門部の前壁にかけて長径25mm大の扁平な隆起性病変を認めた.食道胃接合部からの生検で非充実型の低分化管状腺癌と診断されたことから,下部食道・胃全摘術が施行された.組織学的には,印環細胞を含む低分化管状腺癌と内分泌細胞癌から成る癌で,腫瘍の主座は食道にあり,腫瘍細胞の露出を欠く粘膜下腫瘍様形態を呈した深達度SM3の早期癌であった.内分泌細胞癌は,chromogranin A,Grimelius,synaptophysin陽性であった.術後2年5か月現在,無再発生存中である.

参考文献

1) 西俣寛人.食道・胃接合部癌の診断.CLINICIAN 542:70-79, 2005
2) 西俣寛人,西俣嘉人,大井秀久,他.食道胃接合部癌の診断.胃と腸 36:671-682, 2001
3) 松田圭二,渡辺英伸,桑原史郎,他.粘膜下腫瘍様の食道表在癌.胃と腸 32:671-689, 1997
4) Cesar VR, Gregorio C, Wellington J, et al. Neuroendocrine Carcinomas of the Esophagus. Ultrastructural Pathology 1:367-376, 1980
5) Kelsen DP, Weston E, Kurtz R, et al. Small cell carcinoma of the esophagus:Treatment by chemotherapy alone. Cancer 45:1558-1561, 1980
6) Liebermann M, Franceshi D, Marsan B, et al. Esophageal carcinoma:The unusual variants. J Thorac Cardiovasac Surg 108:1138-1146, 1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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