文献詳細
今月の主題 食道扁平上皮dysplasia―診断と取り扱いをめぐって
症例検討
文献概要
はじめに
食道dysplasiaの組織診断についての症例検討は10年前に本誌第31巻第6号で行われている1).初回生検でdysplasia,atypical epithelium,hyperplasiaやesophagitisと診断されたが,内視鏡所見からその後2~3回以上の生検が施行された経過のある症例が対象とされ,最終診断が癌かどうかという点に視点が置かれていた.そのような検討が取り上げられた背景には,内視鏡診断ならびに治療法の飛躍的な進歩がある.早期癌症例が数多く発見,切除されるようになり,食道早期癌の組織診断基準が大きく変わり,確立されつつある時代であった.
食道dysplasiaの組織診断についての症例検討は10年前に本誌第31巻第6号で行われている1).初回生検でdysplasia,atypical epithelium,hyperplasiaやesophagitisと診断されたが,内視鏡所見からその後2~3回以上の生検が施行された経過のある症例が対象とされ,最終診断が癌かどうかという点に視点が置かれていた.そのような検討が取り上げられた背景には,内視鏡診断ならびに治療法の飛躍的な進歩がある.早期癌症例が数多く発見,切除されるようになり,食道早期癌の組織診断基準が大きく変わり,確立されつつある時代であった.
参考文献
1) 渡辺英伸,松田圭二.症例検討 : 食道 dysplasia(異形成)の組織診断.胃と腸 31 : 705-761, 1996
2) 日本食道疾患研究会(編).臨床・病理 食道癌取扱い規約 第 9 版.金原出版,1999
3) Gabbert HE, Shimoda T, Hainaut P, et al. Squamous cell carcinoma of the esophagus. WHO Classification of tumours, Eds. Hamilton H and Aaltonen, Pathology and Genetics : Tumours of the Digestive System, pp 11-19, IARC, Lyon, 2000
4) Schlemper RJ, Riddell RH, Kato Y, et al. The Vienna classification of gastrointestinal epithelial neoplasia. Gut 47 : 251-255, 2000
掲載誌情報