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文献詳細

雑誌文献

胃と腸42巻3号

2007年03月発行

文献概要

今月の主題 大腸鋸歯状病変の発育進展と診断・取り扱い 主題

大腸鋸歯状病変の臨床的取り扱い―私はこう考える

著者: 小林広幸1

所属機関: 1松山赤十字病院胃腸センター

ページ範囲:P.335 - P.336

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大腸鋸歯状病変とは

 従来,腺管構造が鋸歯状を呈する病変は病理組織学的には過形成性ポリープ(hyperplastic polyp;HP)として取り扱われ,非腫瘍性で悪性化することのない無害な病変とされていた.ところが,HPの形態学的特徴である腺管の鋸歯状構造を呈しながら個々の細胞レベルでみると腺腫同様の細胞異型を示す病変やその一部が癌化した病変が報告されるようになり,今日ではこのような病変は通常の腺腫(traditional adenoma;TA)同様に腫瘍性病変として取り扱われ鋸歯状腺腫(serrated adenoma;SA)と呼ばれている1).なお,SAの中にはHPまたはTAのcomponentを伴う病変(mixed polyp;MP)も少なからず存在し,HP→SA(→TA)→癌という新たな大腸癌の発癌経路も明らかになってきている2).さらに,最近ではHPそのものが増大し直接癌化したと推測される早期癌も報告されるようになり3)4),両者を合わせたHPからの発癌経路(serrated pathway)が注目されている.このため,このような病理組織学的に病巣内に鋸歯状の腺管構造を有する病変は,今日では一括して鋸歯状病変(serrated polyp;SP)と総称され4),その臨床病理学的取り扱いが問題となってきている.

参考文献

1) 鋸歯状腺腫(serrated adenoma)とその周辺.胃と腸 33 : 815-903, 1998
2) 大腸の鋸歯状腺腫を診る.消化器内視鏡 12 : 1077-1184, 2000
3) Kudo T, Matsumoto T, Esaki M, et al. Small invasive colonic cancer occurring in a hyperplastic polyp. Endoscopy 36 : 825-828, 2004
4) 大腸 serrated polyp ― large hyperplastic polyp も含めて.早期大腸癌 10 : 277-336, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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