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文献詳細

雑誌文献

胃と腸42巻3号

2007年03月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

0I型を呈したEpstein-Barr virus関連早期胃癌の1例

著者: 加藤貴司1 平山眞章1 町田卓郎1 萩原誠也1 碇修二1 佐々木清貴1 黒瀬龍彦1 中村英明1 加賀谷英俊1 目黒高志1 堀田彰一1 阿部元輝2 押切太郎2 藤田美芳2 森田高行2 高橋利幸3

所属機関: 1北海道消化器科病院内科 2北海道消化器科病院外科 3北海道消化器科病院病理

ページ範囲:P.366 - P.372

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 症例は68歳,男性.検診にて胃に異常を指摘され当科を受診した.胃X線および内視鏡所見では胃体下部後壁に約30mm大の0I型隆起性病変を認め,生検にて印環細胞癌と診断された.遡及的に1年9か月前の内視鏡所見を確認したところ,同部位には0IIc様病変が認められ,0IIc型から0I型へ形態変化を来したと推察された.幽門側胃切除術を施行した結果,病理組織学的に深達度SMの低分化型腺癌が主体であるリンパ球浸潤性髄様癌であった.また病変の表層は高分化型腺癌にて覆われていた.in situ hybridization法にてEpstein-Barr virus(EBV)陽性であり,EBV関連胃癌であった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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